現在の教育費や貯蓄で学費充当も
老後生活費への影響をよく考えて
人生の三大支出といわれるのが、「教育費」「住居費」「老後生活費」です。マイホームを手に入れた喜びもつかの間、今後の住宅ローンや大学進学を考えて不安が募っておられるようですね。
住居費に関しては、それほど負担感の大きくない返済額で、家計を苦しめることは想定しにくいでしょう。しかし、ご主人が75歳で住宅ローン完済となることが気になります。75歳まで働き、返済を完了させることは現実的には考えにくく、繰り上げ返済をして期間短縮を図るか、退職金で残債を返済するか、いずれかになります。どちらの場合も、老後生活費への影響は避けられません。この点は、ひとつのポイントとして覚えておいてください。
次に、教育費です。すでに、貯蓄のうち大学進学費用として270万円あるため、大学4年間で必要とされる692万円(私立文系)、822万円(私立理系)の3分の1程度は確保できているといえます。残りの金額は、現在の学校関連費や学校外教育費、貯蓄が充てられそうです。ただし、問題点がないわけではありません。私立理系に進学すると、現在の貯蓄の半分がなくなってしまいます。自宅通学ができない場合にも、家計の負担は大きく膨らみます。
また、一般的には大学進学時に最大となる教育費が、高校の段階で年間80万円以上あり、住宅ローンと同額になっている点が気になります。当面の支出を乗り越えることは十分可能なのですが、これも、老後生活費に影響してきそうです。
老後生活費の基盤となる貯蓄は、ご主人の引退時に3000万円あるのが理想。退職金や年金の金額によっても変わってくるため、会社や年金事務所で詳細を確認してみてください。さらに、通信費・車関連費などを中心に、支出項目を精査すること。奥さまの収入がもう少し増やせるなら、心強いと思います。