エベレスト3D
11月6日(金)からTOHOシネマズ二条、T・ジョイ京都ほかで公開
世界最高峰をめざす強烈な意志、壮絶な救出劇に圧倒される
「なぜ山に登るのか」「そこに山があるから」という、昔からおなじみの問いと答えがあるが、この真意を体で実感できるのは、やはり登山家だけだろう。だが、世界一高いエベレストの頂点に立つには、山があるから登りたいという欲求だけではまるで無理な話。あらゆるケースに対応できるような経験を持ち、天候などの運に恵まれることも必要なのだ。
この映画は、1996年に起きた実話をもとに制作され、大自然にのみ込まれるようなダイナミックな映像でハラハラさせられる。登山ガイド会社を経営するロブ・ホールの登頂ツアー一行はネパールに到着し、訓練や準備を整えた1カ月後、ついにエベレスト頂上をめざす。しかし、思わぬアクシデントで予定が狂い、大嵐の接近で天候が悪化。さまざまな悪条件がそろい、キャンプへの帰還が困難になる登山家たちも出てきて…。
いやはや大変なサバイバル劇だ。スポーツマンシップということばがあるが、我欲から離れ、他者を思いやったロブ・ホールの行動に強く打たれる。それは、登山家たちの夢をかなえたいという心の現れでもある。ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、エミリー・ワトソン他出演。監督は、バルタザール・コルマウクル。ぜひ3D映像で見てほしい。
(ライター 宮田彩未 )