アデライン、100年目の恋｜試写室・劇場から

アデライン、100年目の恋

10月17日（土）からMOVIX京都で公開

けして年をとらない外見って、ホンマに幸せを運んでくれる？

ヒロインのアデラインは、自動車事故後のある出来事により、老いることがなくなった。すでに100歳を超えているのに、見た目は20代後半。でも、それがバレるとどんな事態になるかと恐れ、10年ごとに名前も住所も変え、写真を撮られるのも他人との親密な関係も避けてきた。そんな彼女が魅力的な青年エリスと出会い、恋ごころがつのっていくのだが…。

アデラインを演じるのは、人気上昇中のブレイク・ライヴリー。キュートな顔立ちとともに、彼女が着こなす時代ごとのファッションも魅力的だ。エリス役にはミキール・ハースマン、重要な役でハリソン・フォード、エレン・バースティンが顔を見せる。

「ベンジャミン・バトン」という映画や幾世紀も生き続ける吸血鬼の映画なども思い出すが、人はやはり人並みに年を重ねていくのが一番イイとあらためて思う。永遠に若くありたいという女性たちの一般的な願いはもちろんよくわかるけれど、このヒロインのように本当にそれが実現したとしたら、どうだろう？幸せどころか災難となるかもしれない。ラストのアデラインのあるしぐさと満ち足りた表情が、この映画のエッセンスを伝えてくれる。監督は新鋭リー・トランド・クリーガー。ナレーションの斬新な使い方も面白い。

（ライター宮田彩未　）