不思議の国のアリス
ルイス・キャロル 亜紀書房・1728円
空想の世界と挿絵が見事にマッチ。おなじみの物語が新たな形に
今年は「不思議の国のアリス」刊行から150年。多くの関連書の中でも、特に大人にオススメしたい入門編にも最適な一冊です。英文学者の高山宏と、初期村上春樹作品のカバーでもおなじみ京都在住の画家・佐々木マキが、物語にあらたな生命を吹き込みました。
巨大化するアリス、おかしなお茶会など、奇想天外な空想の世界だからこそ、挿絵はそのイメージを決定づける重要な要素です。最近では絵本作家として知られる佐々木マキですが、コミック作家時代のシュールなタッチを思わせる描線で、のびのびと描いています。
2色刷りの美しい挿絵が凝ったレイアウトの本文と調和。贈り物にも最適な“アリス本”です。
【紹介者】
堀部篤史さん
堀部篤史さん
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