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試写室・劇場から

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声

9月11日(金)からTOHOシネマズ二条で公開

©Myles Aronowitz 2014

孤独な少年に希望を与えたのは歌うこと、そして愛のムチ。

名実とも世界的な大スターと呼ばれる男優の出演作が続いて公開される。アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、そして、本作のダスティン・ホフマンだ。ホフマンはこの映画では脇に回っているが、長年にわたり確固としたキャリアを積んできた人の存在感は、やはりただものではないなと思った。

12歳になる主人公のステット少年は、母子家庭で育ち、学校ではトラブルメーカーだが、抜群の美声を持っていた。その才能に着目した校長は国立少年合唱団のオーディションを受けるよう勧めるが、ステットは反発。ところが、母親が事故で急死し、別の家族を持つ父親はステットを厄介払いするように、彼を国立少年合唱団付属学校に送り込むが…。

その付属学校の教師カーヴェルがホフマンの役だ。彼はピアニストを目指していたが、才能を否定されたという過去を持つがゆえに、才能がありながら努力を怠るステットが歯がゆくてたまらない。かくして、一流になるための厳しい指導が始まる。周囲のいじめにも耐え、歌うことのすてきさを知ったステットの成長物語へと発展していく。日本でも公演しているアメリカ少年合唱団による数々の名曲で、ボーイソプラノのすごさも伝えてくれる好編。監督はフランソワ・ジラール。

(ライター 宮田彩未 

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