七つ空、二つ水
東直子 キノブックス・1728円
三十一文字に込められた思いと日常を重ねたエッセー集
三十一文字のなかに心を詠む。短歌には、日本語の連なりに身を委ねるような心地よさがあります。
6年にわたり日刊紙で連載された歌人・東直子さんのエッセー。みずみずしい言葉でつづられる季節の移ろいや日常と、テーマにちなんで紹介されるさまざまな短歌。繊細な感性を生かして解説される歌を通し、これまで気づかずにいた感覚があることを知りました。
「草の原つらぬくレール花を置く海へゆけない船のかわりに」。京都の桜の名所、インクラインのレールに散る花びらについて著者が詠んだ歌です。詠まれた1シーンから広がる世界。心をやわらかく解きほぐしてくれるような一冊です。
【紹介者】
マヤルカ古書店 なかむらあきこさん
マヤルカ古書店 なかむらあきこさん
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