「こども芸術教室 Kidz Lab.」代表 滝村陽子さん
子どもの感性を伸ばす放課後育児の場所づくりに
産官学が連携して実施する、京都府の「京都文化ベンチャーコンペティション」。
第7回の京都リビング新聞社賞を受賞した滝村陽子さんに話を聞きました。
「学童保育や塾以外に子どもを見てもらえる場所があればいいなと思って。習い事に通ってもらう感覚で、親の仕事が終わるまで子どもたちが集える居場所をつくりたいと考えたんです」と滝村さん。それが、「京都文化ベンチャーコンペティション」で受賞した「こども芸術教室 Kidz Lab.(キッズ・ラボ)」。
5〜12歳を対象に、お絵描きや工作、絵本の朗読などを行っていて、幼児は午後、小学生は放課後の時間帯に授業が設定されています。それぞれ終了後は、送迎や居残り見守りサービスが用意されています。
別の仕事をしながら、この事業を始めたのが約6年前。地域や神社のお祭りで工作のワークショップを行うなど屋台教室からスタートしました。教室を持たない形態に限界を感じ、約3年前から会場を決めて教室を開催。現在は2つの会場で行っています。
芸術教室にこだわったのは「じっくり考えてアイデアをひねり出すことは、集中力と思考力を育み、自立心が自然に養われると考えています。こういった経験を幼少期にしておくことが、青年期を迎えるうえでとても大切」と言います。
同教室の講師陣は、芸術系の大学を卒業した若手の芸術家。「芸術教育分野の若手育成にも一役買えたらいいなと。小規模ながら雇用を開くことで、スキルを生かした職業訓練の場にもなっている」ようです。
「働くお母さんや共働き夫婦でも仕事があるからといって、子どもの教育を諦めなくてもいいはず。うちの教室を、家庭教育の選択肢の一つとして選んでもらえれば」
(文・田中理絵 )