着実な家計に、無理な節約は不要
生命保険は備える時期と金額次第
将来への不安を感じつつも、しっかりと着実に家計を運営されている様子がうかがえます。
まず、生命保険について考えてみましょう。これは、万一の備えとして加入するもの。この万一の事態が発生する確率と備えておきたい金額から、保障内容を考えます。
例えば、ご主人がお亡くなりになると、葬儀費用や遺族の生活費が必要となります。葬儀費用は現在の貯蓄でカバーできますが、貯蓄を取り崩したくない場合は死亡保険金が支払われる終身保障などが役に立ちます。
遺族の生活費は、遺族の人数と年齢で違ってきます。お子さまを希望されておられるとのことですし、もう少し状況が確定してからの検討でも遅くはないと思います。その際は、公的な遺族年金、会社の退職金、奥さまの収入といった金額も考慮する必要があります。
次に、貯蓄について。貯蓄は、当面の資金収支の穴埋め用のお金です。資産運用は、それ以降必要となる資金準備のために行うもの。ご主人が会社員や公務員の場合、急に給与収入がなくなる可能性は低く、当面の住宅資金や教育資金などもないことから、現在の貯蓄は十分すぎる水準といえます。
金利がほぼゼロでインフレが金利以上に進む現在は、実質的にお金の価値が下がっていく状態です。運用にはリスクが付きまとうので、今すぐに運用を始めるよう勧めているわけではありません。もし、運用を始めるなら、少しずつ、さまざまな資産にバランスよく分散させて投資してみるのもよいでしょう。
老後資金の目安は、公的年金プラス3000万円といわれています。退職時期までまだ20年以上ありますから、今のペースで必要資金の貯蓄は十分に可能です。家計の支出面では、雑費にあと少し工夫ができるかと思いますが、無理して節約する必要はなさそうですよ。