遠すぎた輝き、今ここを照らす光
平山瑞穂 新潮文庫・637円
大人になって再会した二人。お互いを知り、新たな関係へ
月刊誌の記者として働く小坂井夏輝は、取材先で中学の同級生だった瀧光平と再会。石こう職人となって夏輝の前に現れる。
誰にでも愛想よく振る舞う夏輝と、人との関わりを極力もたない瀧は対照的な関係だった。ストーリーは二人の視点が交互に入れ替わりながら進行する。
取材を続けていく中で、当時は知りえなかったお互いの心の葛藤や過去の痛みに気づくことになる。そして二人はある行動に…。
中学生のときは分からなかったことを時間が自然に解決してくれていた、つまり満を持しての再会だったのでは。誰もが通ってくる道だからこそ共感できる物語。
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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