ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男
5月30日(土)からT・ジョイ京都で公開
なりきりJBに目がくぎ付け!ソウル音楽界の伝説男に迫る
マイケル・ジャクソンをはじめ、JBことジェームス・ブラウンの影響を受けたミュージシャンは数多く、そのひとりミック・ジャガーが本作のプロデュースに関わった。かといって、JBを持ち上げたりはせず、トラブル男ともいわれた彼の半生をきちんと伝えようとする姿勢が感じられる作品である。
ソウルミュージック界で“帝王”と呼ばれたJBだが、彼は両親に見捨てられたという悲しい思い出を胸に秘めていた。しかし、与えられた才能をめきめきと伸ばし、ヒット曲を連発。一方で、妻や音楽仲間とのいざこざにもこと欠かないJBだったが…。
映画はJBの少年時代やエポックとなった時代を自由に行き来し、彼の言動の背景を探ろうとする。有能な者が凡人に対して不用意に表す優越感、そういう部分も描かれる。だが、決別した親友ボビー・バードの心を取り戻そうとするかのように歌う場面には胸を打たれた。また、キング牧師暗殺の翌日に行われたライブに関するエピソードも、実に彼らしい伝説として印象に残る。JBが乗り移ったみたいなチャドウィック・ボーズマンの演技と、JB自身の歌声を使用したライブシーンにより、わくわくするほどパワフルな音楽映画となった。監督はテイト・テイラー。
(ライター 宮田彩未 )