ジュピター
3月28日(土)からMOVIX京都、T・ジョイ京都で公開
地球を支配しているのは何者か。創造性が光るSFアクション
ジュピターというと木星だが、本作ではヒロインの名前だ。この風変わりな名前を持つ若い女性は、家政婦として働いていて、自分の身に特別なとんでもないことが起ころうとは思ってもみなかった。ところがある日、わけもわからず襲われ、筋骨隆々のなぞの戦士に助けられる。なんと彼女は、陰で地球をも支配している宇宙最大王朝の王族だったのだ。
一見フツーの人、だがその正体は…という吸引力のある物語が、宇宙スペースでのスリリングな戦闘や、地球存続の鍵を握る王朝の裏舞台へとつながっていく。意匠を凝らした異星の様子や宇宙船のスタイル、異星人の姿など、随所に造形へのこだわりがあり、目を楽しませてくれる。そして、最後にはロマンスの香りも添えられている。
監督は、「マトリックス」以来初の完全オリジナルストーリーに挑んだラナとアンディのウォシャウスキー姉弟。ジュピター役は「ブラック・スワン」のミラ・クニス、戦士ケインにはチャニング・テイタム。本年アカデミー賞主演男優賞のエディ・レッドメインが、薄気味悪い権力者を鮮烈に演じているほか、韓国のペ・ドゥナもチョイ役で登場。地球誕生の秘密や宇宙の未知の世界について、想像力をかきたてるような、スケールの大きな作品だ。
(ライター 宮田彩未 )