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試写室・劇場から

ロックオペラ「ジーザス・クライスト=スーパースター」

12月5日(金)~14日(日)京都劇場にて公演

(撮影)山之上雅信

熱いロックで描くキリスト最後の七日間!

舞台に広がる土埃の舞う急斜面の地。エレキギターの低い爪弾きに続いて、たたきつけるような熱いロックのオーヴァーチュア(序曲)が流れると、そこはパレスチナの荒野。

1973年の初演以来、公演回数1400回を超える作品ながら、圧倒的な迫力で、今なお見る者の魂を震えさせる名作である。

ローマ帝国に支配されて苦しむユダヤの民の前に、救世主のように現れた一人の青年ジーザス(イエスの英語読み)。新しい教えを説く彼を、民衆は「神の子」と呼んで、熱狂的に崇拝する。しかし、その期待と己の無力さの中で苦悩し、娼婦の“マリア”や、使徒のひとり“ユダ”が心を痛める中、ジーザスは、運命のエルサレムへ…。

この作品では、イエスを神の子としてではなく、苦悩する一人の人間として描いている。権力者たちの思惑、うつろいやすい民衆の心、愛するがゆえのユダの裏切りなどが、それぞれの歌によって紡がれていく。特に、ジーザスが神に向かって歌い上げる「ゲッセマネ」や、マリアの「私はイエスがわからない」、ユダが天国から皮肉を込めて歌う「スーパースター」などは聴きごたえ十分。また、この作品の名物シーンでもある、ヘロデ王のユニークなパフォーマンスは必見モノだ。

(文筆業 あさかよしこ 

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