キップをなくして
池澤夏樹・角川文庫・555円
東京駅で過ごす少年の
ひと夏を描いた“鉄道冒険小説”
いつもと変わらぬ一日を迎えたはずのひとりの少年。コレクションしている切手がようやくそろうその日、彼は心躍らせ電車に乗った。
目的の駅で降りようと改札まで行ったとき、キップがなくなっていることに気付く。そこへやって来たひとりの少女が言ったのが、「キップをなくしたら駅から出られない」。そうして、2人は駅のなかの別世界へ向かう。そこには彼と同じように、キップをなくした子どもたちが大勢いたのです。
東京駅で過ごす少年の、ひと夏の奇妙な体験を描いた“鉄道冒険小説”。なんとも言い難い、不思議なふしぎな、池澤ワールドにどっぷり引き込まれます。
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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