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試写室・劇場から

北島三郎 最終公演

11月30日(日)まで、大阪新歌舞伎座にて公演中

足跡を明日へとつなぐ、圧巻のフィナーレ!

「このような座長公演は今回が最後になりますが、北島三郎、まだまだ引退はいたしません!」

舞台から力強く響くこの言葉に、満員の客席から大きな拍手が沸き起こり、「サブちゃんッ!」と掛け声が飛び交う。デビューから52年。また、初演から46年、恒例となった座長公演も、前人未到の4500回を迎えるという。その見納めとなる今回の最終公演は、実にみごとな盛り上がりを見せてくれた。

第一部は、星由里子を迎えての、ご存じ!「国定忠治」。「赤城の山も今宵かぎり…」の名セリフとともに、義理人情に生きる侠客の世界がじっくりと演じられ、さらに、歌手の北山たけし、北島の三女で女優の水町レイコが、そこに花を添える。

第二部は、これこそが北島三郎の真骨頂、「ヒットパレード 北島三郎、魂の唄を…」。数々のヒット曲が披露され、客席の興奮も最高潮に向かうころ、大きく揺れる、巨大な大漁船の舳先(へさき)で『北の漁場』を熱唱。さらに、北山たけしを中心に、日本人の血を騒がせる和太鼓の競演から、絢爛(けんらん)豪華な「まつり」、そしてフィナーレへと続く一連の流れの見事さは圧巻! 北島三郎は今年で78歳を迎えたが、それは年齢というよりは“年輪”。まだまだその輪は数を重ねていきそうである。

(文筆業 あさかよしこ 

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