図書室のキリギリス
竹内真 双葉社・1728円
本を閉じたあと、誰かとつながり始めるかもしれません
僕自身の話になりますが、読んだ本は手元に置いておきたいがために、すっかり疎遠になってしまった図書館。本書はある高校のそんな図書室が舞台で、離婚を機に学校司書として働くことになった主人公が本にまつわる小さなミステリーを生徒とともにひもといてゆく物語です。司書という仕事は本の整理をするだけでなく、人と本を、そして人と人をもつなぐこともあると学んでいく姿が描かれています。
本は決して読んで終わりじゃない。そこから生まれる物語があり、そこから広がる世界もあるんだということを感じずにはいられませんでした。僕もまたぜひ図書館を利用したいと思える感動の一冊になりました。
【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん
ことばのはおと 中村仁さん
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