舞妓はレディ
9月13日(土)からTOHOシネマズ二条ほかで公開
いなか育ちの少女が、舞妓デビューにチャレンジ!
構想から約20年、周防正行監督がついに世に送り出したのは、京都の花街を舞台にしたミュージカル仕立ての最新作。「周囲がどう見ようと、あきらめずにガンバっていれば、夢はいつかかなう」という直球のメッセージを、豪華な配役陣をそろえて伝えてくれる。
舞妓(まいこ)がたった一人しかいないと悩んでいた京都の老舗のお茶屋に、ある日、津軽弁と鹿児島弁のなまりが強烈な少女・春子が飛び込んできた。彼女の願いは「舞妓になること」。女将はあきれてしまうが、そこにいた言語学者が興味を示し、春子は前代未聞の舞妓修業を始めることに…。
花街という伝統と格式が重んじられる世界で、イマドキの少女がぶち当たる壁はかなり手ごわいのだが、春子を支える人情模様は温かい。その支えが与えられたのは、春子の一途な思いがあればこそ、なのだろうなと思う。富司純子、長谷川博巳、田畑智子、草刈民代ほか味のある俳優たちに囲まれつつ、春子役で存在感を示した現役高校生の上白石萌音に注目!
物語が進むにつれドンドン輝きを増し、映画の最初と最後では別格に。爽やかな歌声も魅力的で、確かな実力を感じた。周防監督らしいハッピーな後味で、楽しいファンタジーとして受けとめたくなるエッセンスがふりまかれている。
(ライター 宮田彩未 )