必要額を把握すれば不安の解消に
貯蓄は、現在のペースを維持して
ご夫婦ともに転職を経験され、環境の変化や収入減となられたことで、不安が募られているかと思います。しかし、世帯収入でみると、決して悲観的になる状況ではありません。教育費とその他の項目で、メリハリのあるやりくりができています。何よりも、住宅ローンを完済されているのは大きな安心材料ですね。
年間の貯蓄目標額を設定されることは素晴らしいことですが、「老後に必要な金額」が把握できていなければ、なかなか不安は解消しません。
ご夫婦の退職後の生活費を試算すると、18万円程度に。現行の公的年金の支給モデルでは、会社員の夫と専業主婦の妻で月額約23万円になります。ご夫婦とも厚生年金などに加入されているので、上乗せがあることを考えると、日々の生活費は年金である程度カバーできそうです。
一方、旅行や習い事、車の買い替えなどの費用、住宅修繕費や医療・介護費用を含めた貯蓄は、2500万~3000万円を目安に。
貯蓄のうち、教育費を差し引いて老後のためにどれくらい残せるかを考えてみましょう。第1子が私立理系大学に進学すると、年間70万円ほどの持ち出しが発生。入学金や受験料などを含め4年間の学費は350万円程度。そこから学資保険を差し引くと、貯蓄の取り崩しは約100万円で済みそうです。第2子の進学は第1子独立後になるので、学資保険を考慮すると、ほぼ貯蓄を取り崩す必要はないでしょう。老後用に1000万円はキープできそうです。
その他、個人年金保険の受け取りや終身保険を解約して1000万円、60~65歳は二人で月20万円程度働けば、5年で500万~1000万円の貯蓄も目指せます。
現在、貯蓄性商品を含めると、年間貯蓄は100万円を超えています。焦らず、今のペースを維持できれば問題ないでしょう。