パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト
7月11日(金)から京都シネマで公開
伝説の鬼才と現代の鬼才が、一つになる瞬間を目撃する!
ニコロ・パガニーニは、18~19世紀の前半にかけて名を成したイタリアのバイオリニストであり作曲家。その超絶技巧ゆえに、“悪魔に魂を売り渡した”とまでいわれ、華やかな女性関係やギャンブル癖など多くの伝説に包まれた人物である。そのパガニーニを演じ、劇中音楽も手掛けたのが、やはり超絶技巧で鳴らすデイヴィッド・ギャレット。演者が確かな演奏技術を持つ本物だと、音楽映画は格段にすごくなるという見本だ。
まだ不遇の状況にあるパガニーニの前に一人の男が現れ、彼を有名にする役を買って出る。条件として「あの世で会えたら、恩を返してくれ」という不思議な男の導きにより、パガニーニは国内での名声と富を獲得し、イギリス公演のお呼びもかかるのだが…。
ゲーテの『ファウスト』を想起させる契約に乗ったパガニーニの、その才能とは異なる俗物的な人柄、イギリスで出会った純愛などが、ドラマ性豊かに描かれていく。ロックスターみたいなギャレットの風貌も華を添えているが、特にパガニーニの魂が乗り移ったような演奏シーンには目を見張る。これこそ、音楽の魔法だ。ジャレッド・ハリス、アンドレア・デック共演。バーナード・ローズ監督。12歳未満は保護者の助言・指導が必要なPG-12指定。
(ライター 宮田彩未 )