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インタビュー

俳優・演出家 江守徹さん

1944年生まれ。高校卒業後、文学座演劇研究所に入り、63年「トスカ」で初舞台を踏む。
「オセロー」(73年)で紀伊國屋演劇賞・個人賞、映画「社葬」(89年)で日本アカデミー賞
優秀助演男優賞を受賞。演出家としても評価が高く、第2回読売演劇大賞・優秀演出家賞も受賞している。
75年のNHK大河ドラマ「元禄太平記」などテレビドラマにも多数出演。
6月21日(土)午後1時30分、京都劇場にてミュージカル「本能寺が燃える」に出演。
問い合わせは同公演事務局(新広総研内)=TEL:052(957)3681

舞台に立つたび、新鮮な気持ちで臨みます

日本演劇界の重鎮・江守徹さんにインタビュー。俳優に加え、演出家、ナレーターなど、幅広い分野で長年にわたり才能を発揮してきた江守さん。70歳を迎えてなお精力的に活動を続ける原動力とは─。



ミュージカル「本能寺が燃える」に出演している江守さん。6月には京都公演も控えています。
江守さんの今回の役は、主人公・明智光秀の晩年の姿とされる「南光坊天海」という僧侶。天海がこれまでの人生を回想する形でストーリーが展開していきます。

京都の舞台で演じるのは久しぶりという江守さん。「土地によってお客さんの反応は違うものですが、京都のお客さんは見る目が厳しいという印象がありますね。歴史ある土地で、文化や芸術が身近にあるからでしょうか」

京都のイメージを尋ねると、「日本を代表する街であり、日本人にとっていつも心の中にある、忘れえぬ街」と。地元に住んでいることがうれしくなるような言葉です。

「修学旅行で訪れた子どものころ以来、俳優になってからも幾度となく訪れています。若いころ宿舎のあった知恩院の辺りは懐かしい場所だし、もうなくなってしまったけれど京都に来るたび顔を出す飲み屋さんもありました。大原を訪れた際には、寂光院の静けさや、三千院の阿弥陀三尊坐像の美しさに胸を打たれました」

仕事への熱い思いを生きる原動力に

7年前に脳梗塞の発作を経験している江守さん。仕事復帰してからしばらくたちますが、元気で仕事を続けるために何か健康法などを実践しているのでしょうか。「いいえ、何も。ときどきは晩酌もしますし、特別な運動もしていません」と意外な答え。

「俳優という職業の良いところは、何歳になってもその年齢に応じた役があり、元気でさえいればずっと続けていけるという点。だからこそ健康が大切だという思いは強いし、老いぼれたと思われたくはない。今の私にとって、一日一日が大切なのです」

デビューから半世紀以上という大ベテランの江守さんですが、「舞台に立つときは、毎回新鮮な気持ちで臨むようにしています。難しいことですが、だからこそ工夫が必要になるのです」

経験を重ねても、尽きることのない演技への熱い思い。それが江守さんのパワーの源なのかもしれません。

相手を尊重することが夫婦円満のひけつ

愛妻家としても知られる江守さんは、今も記念日を忘れずにお祝いしているのだそう。そんな江守さんに夫婦が仲良くいるためのひけつを聞きました。

「相手の存在を認め、尊重するということではないでしょうか。相手がどういうものが好きか、何をすれば喜ぶか理解する。そのためにはやはり会話をたくさんすることが大切だと思います」

(文・吉永美代

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