チョコレートドーナツ
5月10日(土)から京都シネマで公開
性別や血縁の枠を超えた
ある“家族”の姿に感動!
アメリカ各地の映画祭で数々の観客賞に輝き、関東圏でもヒットを飛ばしている秀作が京都にやって来る。これは、70年代のアメリカ・ブルックリンで実際にあったお話をもとにしたもので、カリフォルニアに舞台を置き換え、家族とは何か、自分らしく生きるとはどういうことかと問いかけてくる。
女装のショーダンサーとしてステージに立つルディは、ある夜、弁護士のポールと出会い、二人はたちまち恋に落ちる。ルディの住む部屋の隣に薬物依存の母親を持つダウン症の少年マルコがいて、マルコをふびんに思うルディは、助言をもらおうと、ポールの職場を訪れる。だが、ゲイであることを隠してきたポールは冷たく…。
冷ややかな態度を反省したポール、ありのままに生きようとするルディ、そしてこの二人になつくマルコ。家族のように暮らし始めるが、マイノリティーとされる彼らにはさまざまな問題が立ちふさがる。その防波堤が、血や性別を超えた互いへのいとおしさである。ルディのまっすぐな気持ちは、見る者にもじわじわと浸透してくる。
ルディを演じたアラン・カミングがいい!ボブ・ディランの名曲『アイ・シャル・ビー・リリースト』の歌いっぷりには脱帽した。トラヴィス・ファイン監督。
(ライター 宮田彩未 )