松平健・川中美幸 特別公演
3月30日(日)まで、大阪新歌舞伎座にて公演中
二人のあで姿、この盛り上がり、マツケン・美幸、大繁盛!
これは珍しい。花形スターによる二人座長という特別公演だ。公演Aは、松平健による「暴れん坊将軍~夢永遠江戸恵方松(ゆめはとこしええどのえほうまつ)~」と「唄う絵草紙」。公演Bは、川中美幸による「赤穂の寒桜~大石りくの半生~」と「人 うた 心」。さらに二人がお互いの舞台に、相手役としてゲスト出演するという粋な計らい。
今年芸能生活40周年を迎える松平健の「暴れん坊将軍」は、オープニングから、白髪、足取りがおぼつかない上に耳の遠くなった吉宗(松平健)が登場して、客席がざわめく。あの〝暴れん坊〟時代から30年たち今は江戸・尾張藩主下屋敷に身を寄せているという設定。そこに、幼なじみのお駒(川中美幸)が訪れる。こちらも結構なご老体ゆえ、二人の掛け合いのおかしさや、なかなかうまくいかない指切りのシーンなどは必見である。
そして時は30年さかのぼり、八代将軍・吉宗の活躍の場へ。近ごろ江戸の町に相次いで、付け火が発生。吉宗の改革に不満を持つ人々の仕業とにらんだ吉宗は、新之助と名を変え、事件の探索に乗り出す。ここはもう松平の真骨頂だ。第二部の『唄う絵草子』は、まさにマツケン・パラダイス!舞台と客席が一緒になって盛り上がった。いいね!
(文筆業 あさかよしこ )