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試写室・劇場から

それでも夜は明ける

3月7日(金)からTOHOシネマズ二条で公開

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重量級の見応えあるドラマ。しかも、事実だという衝撃!

間もなく発表される本年アカデミー賞で9部門にノミネートされている作品がこれ。1853年に出版されてベストセラーとなった、ソロモン・ノーサップの回想録をもとに、いま最も注目を浴びている監督の一人、スティーヴ・マックィーンが映画化。見る者は、主人公を襲った苦難の日々がいかばかりであったか、と胸をかきむしられ、そして理不尽に立ち向かう人間の尊厳に目頭を熱くすることだろう。

1841年のアメリカ。家族とともに幸せに暮らしていた『自由黒人』のソロモンは、ある日、わけがわからぬまま誘かいされ、奴隷として売られることになる。名前は奪われ、家族に連絡するすべもない。仕方なく、彼を買い取った農場主のもとで働き始めるが、陰険ないじめや試練が待ち受けていた…。

約12年の長い年月、彼は耐え、そして時に反抗してひどい罰を与えられる。他者をおとしめ、憎み、暴力を加えたいというゆがんだ欲望を持つ人物により、つま先がわずかに届く距離で木に吊るされる場面は実に痛々しい。人間という生き物の残酷さ、悲しさを実感する。それだけに、希望のともし火を掲げ続けた彼の強さがまぶしい。キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダーのほか、ブラッド・ピットが製作兼で出演。

(ライター 宮田彩未 

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