うれしい悲鳴をあげてくれ
いしわたり淳治 筑摩書房・819円
軽やかさと“オチ”の意外性はショートショートならでは!
作詞家であり、音楽プロデューサーであり…。何足ものわらじを履く、いしわたりさんの作品を読んでいると、星新一をほうふつとさせるものを感じます。
ショートショートならではの、軽やかなメロディーのような文章とは裏腹に、最後にドスンと落とされるオチ。
特に、冒頭の小説「顔色」は、その典型。顔に“その”相が出ていると、もし自分が思われていたら…。もしくは、友人や家族にそういう人がいたら…。どうしよう!と思う半面、顔色がよめるならぜひ、いち早く教えてほしいと思わずにはいられません。
小説のほかに、エッセーも収録された、ちょっとお得な一冊です。
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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