すてきな映画との思い出、今年はいくつありましたか。さて、2013年最後の本欄、多様なジャンルから選んだ年末年始のオススメ作品をご紹介します。ぜひ、良い年を!
大脱出
2014年1月10日(金)からTOHOシネマズ二条、MOVIX京都、T・ジョイ京都で公開
スリリングな場面、続出!
シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーが本格初競演の娯楽大作。二人ともアクションスターとしては盛りを過ぎたんでは?と思うなかれ。いやはや最後までドキドキさせられるジェットコースタームービーだ。
スタローンが演じるのは、脱獄することで施設の問題点を指摘するセキュリティーコンサルタント。ある日、CIAの依頼により、所在地不明の刑務所に送りこまれるが予想をはるかに超えたとんでもない事態に。シュワルツェネッガーは囚人のボス的な役柄で、ラストの思わぬ結末へと導く。要塞(ようさい)のような刑務所や陰険な刑務所長に対する2人の壮絶な戦いと、緊迫感たっぷりの脱出劇が見どころ。ミカエル・ハフストローム監督。
麦子さんと
2014年1月4日(土)からTOHOシネマズ二条で公開
母の青春が娘に教えたもの
兄と二人で暮らす麦子のもとに、ある日、幼いころに家を出た母親が舞い戻ってくる。どうしても親近感を持てない麦子だが、突然母は帰らぬ人となり、母の故郷まで納骨に行くことに。そこで知ったのは、遠い昔、母が町のアイドルで、今も彼女のことを懐かしく思っている人がいること、麦子とうり二つであること。母の人となりを少しずつ知る麦子に現れる変化が、このドラマの核。青春時代にこの母が抱いていた夢と、その夢が遠くに去って行った時のことや、麦子への最後の贈り物が知らされる場面ではぐっと胸が熱くなる。故郷のユニークな人々の情感の深さが、ほんわかとした温かさを醸し出し、ハッピーな結末。堀北真希、松田龍平、余貴美子出演。監督は吉田恵輔。
Fly Me To Minami~恋するミナミ
12月14日(土)から元・立誠小学校特設シアターで公開
交差し協奏する2つの恋
定住地を持たない放浪の映像作家として注目されているマレーシア出身のリム・カーワイ監督が、香港・ソウル・大阪のミナミを舞台に描く。クリスマスから新年という華やかな時期に、めぐり合い、すれ違ってゆく2つの恋の展開と、爽やかさの残る後味が印象的だ。
香港から取材の仕事でミナミを訪れた女性編集者と大阪のアマチュアカメラマンの出会い、一方は、韓国人キャビンアテンダントと妻子のある在日韓国人の秘密の恋。随所にユーモアも効かせながら、男女それぞれの思いを鮮やかに伝えてくれる。
シェリーン・ウォン、小橋賢児、ペク・ソルア、竹財輝之助出演。ジャジーな雰囲気のナガシマモトコによる主題歌が、物語にロマンチックな彩りを添えている。
(ライター 宮田彩未 )