私とは何か 『個人』から『分人』へ
平野啓一郎 講談社現代新書・777円
いく通りもの顔を使い分け。そのすべてが“自分”なのです
僕は接する相手によってキャラクターが変わってしまうことを自覚していて、本当の自分はどれだろうかとよく悩む。
小説家・平野啓一郎が手掛けたこの本にはこんなことが書かれていた。「たった一つの自分など存在せず、対人関係ごとに見せる複数の顔すべてが本当の自分である」と。
人はごく自然に相手との間に調和を見いだそうとし、コミュニケーション可能な自分をその都度生じさせているのだ。
学者ではなく、小説家が語る「私」のメカニズム。僕は自分が相手の顔色をうかがいながら人と接してる気がして嫌だった。でも、著者の展開する人間観に納得し、見方を変えることができました。
【紹介者】
月と六ペンス 柴垣希好さん
月と六ペンス 柴垣希好さん
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