42 世界を変えた男
11月1日(金)からT・ジョイ京都で公開
伝説の大リーガーの半生から
しみじみと教えられること
どんな分野でも最初に何かをやり始めるには勇気がいる。それが困難であればあるほど、突破口を開いたときの栄光は、より大きな輝きを放つ。ジャッキー・ロビンソンを知っているだろうか。メジャーリーグ初の黒人選手である。1年に1回、メジャーリーグの全選手が永久欠番である彼の背番号42をつけ、敬意を払うのはなぜなのか。
1947年、彼はニューヨークのブルックリンを本拠地とするドジャースの選手としてデビューした。黒人に対する差別が厳しい時代に、ドジャースのオーナーであるブランチ・リッキーは、周囲の反対を押し切ってジャッキーと契約したのだが、待ち受けていたのは、とてつもなく大きな逆風だった…。
日常ではバスに乗るにも、公衆トイレを使うにも、白人とは別扱いという偏見がまかり通り、グラウンドでは相手チームや観衆から嫌味を浴びせられる。味方のメンバーからも意地悪される。しかし、「相手の低いレベルに自分を落とすな! やり返さない勇気を持て!」というオーナーの激励が彼を変えていくのだ。強くなれる人とは、自分の立ち位置を失わない人のことだろう、しかしそれは容易ではないなと思う。チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード出演。ブライアン・ヘルゲランド監督。
(ライター 宮田彩未 )