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試写室・劇場から

42 世界を変えた男

11月1日(金)からT・ジョイ京都で公開

©2013 LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

伝説の大リーガーの半生から
しみじみと教えられること

どんな分野でも最初に何かをやり始めるには勇気がいる。それが困難であればあるほど、突破口を開いたときの栄光は、より大きな輝きを放つ。ジャッキー・ロビンソンを知っているだろうか。メジャーリーグ初の黒人選手である。1年に1回、メジャーリーグの全選手が永久欠番である彼の背番号42をつけ、敬意を払うのはなぜなのか。

1947年、彼はニューヨークのブルックリンを本拠地とするドジャースの選手としてデビューした。黒人に対する差別が厳しい時代に、ドジャースのオーナーであるブランチ・リッキーは、周囲の反対を押し切ってジャッキーと契約したのだが、待ち受けていたのは、とてつもなく大きな逆風だった…。

日常ではバスに乗るにも、公衆トイレを使うにも、白人とは別扱いという偏見がまかり通り、グラウンドでは相手チームや観衆から嫌味を浴びせられる。味方のメンバーからも意地悪される。しかし、「相手の低いレベルに自分を落とすな! やり返さない勇気を持て!」というオーナーの激励が彼を変えていくのだ。強くなれる人とは、自分の立ち位置を失わない人のことだろう、しかしそれは容易ではないなと思う。チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード出演。ブライアン・ヘルゲランド監督。

(ライター 宮田彩未 

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