夫婦の老後資金のための貯蓄は
子ども独立後にハイペースで
ご相談者一家のライフステージにとって、もっとも支出が多くなる時期。半ばをようやく超えようとするあたりですが、その中でうまく家計をやりくりしています。現在、余裕が十分にあるとは言えませんが、それほどアンバランスな支出は見当たりません。銀行・財形積立分を考慮すると、健全な状態とも言えます。
そこで、数年後、子どもが独立した後の家計について考えてみました。
楽になる点は、教育費の負担がなくなること、基本生活費(食費、光熱費など)が減ること、生命保険見直しの余地が生まれることなどです。
一方、住宅ローンを支払いながら、夫婦の老後生活資金準備が課題に。現在よりハイペースな貯蓄を行わなければなりません。また、長女からのお金は大変ありがたく、家族間の素晴らしい信頼関係が目に浮かびますが、長女には別の独立した家計を作っていく必要があることも頭に置かなければなりません。できるだけ早く、この“入金”を終える方向で考えることも課題の1つです。
生命保険料の見直しや食費、教育費などを中心に負担が軽くなる部分から、月6万円を新たな積み立てとします。これを55歳から10年間継続すると720万円。これに銀行・財形積立分900万円、個人年金受取金1000万円、退職金などを合わせると65歳時点で3200万円を超える資産形成が可能となるため、老後資金として自助努力で準備すべき金額はクリアできそうです。
繰り上げ返済を行うと総返済額の減少となるので、銀行積立分を利用し、5年後を目安に実行してみましょう。これで、家計はさらに改善されます。自動車購入や墓のローンを完済したことで貯蓄は減ってしまいましたが、ここがスタートラインのつもりで、長期的な視点で考えた貯蓄計画をたて、頑張って実行していきましょう。