すみれ
青山七恵 文藝春秋・1260円
人間のか弱さを感じる、ちょっぴり切ない友情の物語
本書は「ふつうの人とは違う」37歳のレミちゃんと15歳の藍子の友情物語。藍子は両親の大学時代の友人、レミちゃんといつの間にか一緒に暮らすようになります。
誰かの助けがないと生きていけないレミちゃんと両親のような当たり前の幸せはいやだという藍子はお互いに無くてはならない存在に。しかし住む世界が違う二人に訪れたのは突然の別れでした…。
人には誰かの助けが必要なときがきっとある。人は決して一人では生きていけないから。でも、救いの手を差し伸べたくても差し伸べられないこともある、そんな人間のか弱さを感じずにはいられないちょっぴり切ない物語でした。
【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん
ことばのはおと 中村仁さん
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