サイド・エフェクト
9月6日(金)からTOHOシネマズ二条で公開
二転三転の物語に仕組まれた、巧妙なわなを見破ってみて!
インサイダー取引の罪で逮捕された夫をやっとわが家に迎えたエミリーだったが、ある日、駐車場の壁に車を激突させてしまう。彼女を診察した精神科医ジョナサンは、事故でなく自殺を図ったのではないかという疑いを抱く。夫のいない間に、エミリーがうつ病を再発させていたことを知ったジョナサンは抗うつ剤を処方する。その後、新薬に切り替えて間もなく、なんとエミリーは夫を殺害してしまう…。
名匠スティーヴン・ソダーバーグ監督の新作であるとともに、これが最後の長編映画になるかもしれないといわれている衝撃的なサスペンス。事件現場に見る者を誘い込む冒頭のカメラワークは実にうまい! ヒッチコックがお好きなら、ここで一気にワクワクしてしまうだろう。『サイド・エフェクト』とは副作用を意味し、薬害という問題の周囲をぐるぐる回りながら、思わぬ結末へと運んでいく展開術もみごとだと思った。
精神科医の役に、ジュード・ロウ。この事件で社会的にあやうい立場に立たされ、家族関係まで崩壊寸前の男を熱く演じている。心の病に悩むエミリーの繊細さと強靭(きょうじん)さを描きだしたのは、期待の若手女優ルーニー・マーラ。重要な役柄で、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが顔を見せる。
(ライター 宮田彩未 )