コレラの時代の愛
ガルシア=マルケス 訳・木村榮一 新潮社・3150円
50年を愛でつむぐ大人の物語。思いがこもったラストにも注目を
「百年の孤独」で有名なマルケスによって書かれた愛の物語です。
ストーリーはいたってシンプル。一人の男が一人の女を愛し、50年以上待ち続けるというもので、その年月はともかく、あらすじ自体は、出版された当時でも特に目新しくはなかったのではないでしょうか。しかしそれが、マルケスによってとても新鮮に描かれているのです。物語にどんどんと引き込む力やその時代を想像させる力はさすがとしかいいようがありません。
ラストで男が語る言葉には、人生の終わりをこのように迎えられたらと思わせられました。愛の物語に飽きてしまった大人の方にぜひ楽しんでもらいたい一冊です。
【紹介者】
エレファントファクトリーコーヒー 畑啓人さん
エレファントファクトリーコーヒー 畑啓人さん
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