国道沿いのファミレス
畑野智美 集英社文庫・577円
人は、自分ひとりだけの力で生きているわけではないのです
外食チェーンの正社員、佐藤善幸。身に覚えのない女性問題が原因で、実家のある地方の店舗へ左遷され、再始動することに。
何年たっても変わらない絆のある親友や、ほそぼそと看板を掲げる実家の電気店で店を守り続ける祖父、女性にだらしない父、それを見守る母の存在…。
それら全てが彼にとってはまさに、「今」会うべき人たちだったのではないかと感じました。自分に正直に生きようとすると、犠牲になる誰かの存在があります。決して自分ひとりの力で生きているわけではないのです。
これは、若者の今をリアルに描いた、人生のバイブルのようにさえ感じる作品です。
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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