計画性が高く、無駄のない家計簿
繰り上げ返済は、まず期間短縮を
共働きにもかかわらず、ほとんど無駄のない家計簿です。ご実家からお米の援助があるとはいえ、食費が1万8000円というのはすごいこと。仕事をしながら忙しい中でも、食材など工夫されている様子が伝わってきます。また、ボーナスがない状況にあわせ、固定資産税の支払いのための積み立てをするなど、随所に計画性の高さがうかがえます。
通常であれば収入のほぼ半分が見込めなくなるという厳しい状態ですが、ご相談者の場合、大きな心配はありません。
スリムな家計運営ができているため、失業保険の給付が終わって、奥さまの収入だけになっても対応が可能。ご主人もあせることなく、就職活動に励むことができそうですね。
退職金を利用しての住宅ローンの繰り上げ返済は、すでにまとまった貯蓄がある上、変動金利で金利上昇のリスクがあり、残りの返済期間が31年、ご主人が67歳まで返済が続くことなどから検討に値するでしょう。例えば、現時点で退職金の半分に当たる300万円を使って「期間短縮型」の繰り上げ返済をすると4年近く返済期間が縮まり、今後の利息の負担が約95万円減ることに。残りの300万円は就職活動の状況を見るため、しばらく手元にキープしてもよいでしょう。
もし、半年たって就職先が決まっていなければ、今度は残りのお金を用いて「返済額軽減型」の繰り上げ返済を行い、毎月の返済額を下げるという方法もあります。
「学資保険」は貯蓄体質の家計であるため、加入する必要はないかもしれませんが、「学費用として色分けする」という目的があるなら、一つの手段といえます。加入する場合は、保障よりも貯蓄性を重視したタイプのものを選びましょう。
就職活動は精神的にも負担が大きいと思いますが、家族で力を合わせてがんばってくださいね。