コン・ティキ
6月29日(土)からT・ジョイ京都で公開
いかだで渡る8000kmの旅。伝説の実話をスクリーンで!
昔、児童向け図書で読んだ「コンチキ号漂流記」にはワクワクさせられたものだが、著者の本国ノルウェーから、壮大な海洋冒険映画となってこのたび日本に上陸!
実在したノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダールは、妻とともに南太平洋に浮かぶポリネシアの島にやって来る。研究を進めるうち、ポリネシア人の祖先は南米から海を渡ってきたという仮説を打ち立てるが、誰も相手にしてくれない。それを実証すべく、1947年、5人の仲間と共にコン・ティキ号で太平洋横断に挑むが…。
つくづく冒険と無謀は紙一重だなと思う。成功すれば冒険と称えられるが、失敗すれば無謀だったとなじられる。ヘイエルダールは、1500年前と同じ手法で作った、丸太と麻ロープが主材料のいかだに固執し、これで太平洋を渡ろうというのだから、まさに命知らずの無謀。しかも、彼は水泳ができない。さらに、天候不良があり、サメの襲来をはじめ、思わぬ事態が続出。ゆるまぬ彼の信念と情熱を、天が助けたとしか言いようのない快挙なのだ。
主人公役にポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン。監督はヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリ。蒸し暑さを忘れるエキサイティングな物語に、ぜひ浸ってみて。
(ライター 宮田彩未 )