世界から猫が消えたなら
川村元気 マガジンハウス・1470円
最後の7日間で分かる、本当に大切なこと
余命あとわずかと宣告された主人公の最後の7日間を描いたちょっぴり切ないファンタジー。
「一日の寿命」と引き換えに、世の中に存在するものを一つ消すという契約を悪魔と結ぶ主人公。ごく当たり前に存在するものがこの世から消えたら世界はどう変わるのか。「何かを得るためには、何かを失わなくてはならない」というテーマのもと、所々に現れる心揺さぶる哲学的なことばと共に物語は進みます。
僕はその中で「本当に大切なことを後回しにして、目の前にあるさほど重要ではないことを優先して日々生きてきた」という言葉に胸を打たれました。今自分にとって大切なものは何かを考えさせてくれる作品です。
【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん
ことばのはおと 中村仁さん
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