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試写室・劇場から

声をかくす人

1月26日(土)から京都シネマで公開

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歴史の裏舞台で散った女性の、りんとした姿と真実に迫る

ハリウッドで花形スターの地位を確立したロバート・レッドフォードも、はや70代後半。近年は監督としての仕事ぶりが目立つが、この新作では、重厚なタッチでアメリカの歴史の影を浮かび上がらせる。リンカーン大統領暗殺の共犯とされた実在の女性、メアリー・サラットに焦点を当てたものである。

1865年、南北戦争が終わって間もなく、大統領が暗殺され、次々に犯人が逮捕される。その中に、下宿屋を切り盛りするメアリーという女性がいた。元北軍大尉のフレデリック・エイキンが彼女の弁護を担当することになったが、メアリーは無罪を主張しつつ多くを語らない。やがて、彼女は何かを隠し通そうとしているのだと、フレデリックは気づく。

メアリーはアメリカで初めて死刑になった女性である。裁判からその最期まで、レッドフォード監督はこの女性が持つ強い意志と品格を描き込み、自分の命すら投げ出して彼女が守ろうとしたものの重さを見る者に突きつけてくる。

メアリーを演じたのは、ロビン・ライト。知性を感じさせる女優だと常々思っていたが、せりふ少なく、表情のメリハリのない役柄なのに、強烈な存在感を発揮しておみごと! 共演は、ジェームズ・マカヴォイ、ケヴィン・クラインなど。

(ライター 宮田彩未 

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