老人ホームの費用や生活費など
退職後に必要なお金の試算を
40歳になったばかりのご夫婦で、「終の棲家(ついのすみか)」のことを考えておられるのは、生き方や過ごし方のイメージを明確に持っておられる表れだと思います。
退職までの貯蓄目標については、老後の生活費、何歳ぐらいから、どのような老人ホームに入所を希望するかによります。京都の介護付き有料老人ホームの場合、入所時の一時金が1人400万~700万円程度、月額利用料(食費、管理費、介護費用など)が、1人15万~20万円といったところが多いようです。仮に、2人分で、一時金1500万円、月額利用料40万円の施設に、75歳から85歳まで入所すると必要な費用は6780万円。さらに、お小遣いや旅行代など年間50万円ほどの予算も考慮すると合計7380万円になります。
一方、ご夫婦の年金収入が年間240万円見込めるとすると、11年間で2640万円。つまり、75歳の段階で、預金や保険、不動産売却などで4740万円の資産が必要ということに。
予定どおり、年300万円の貯蓄ができれば、退職までの15年間で4500万円の用意が可能です。これに、現在の金融資産と退職金を合わせると総額7500万円になります。75歳で4500万円を確保するためには、55歳の退職から75歳までの20年間で取り崩せる金額は、3000万円ということになります。
退職後の再就職などを想定していないのであれば、年金が受け取れるまでの10年間のやりくりについては、しっかりプランニングを。
前述のような試算に基づく考え方を参考に、今後の生活スタイル、貯蓄目標などをご夫婦で話し合ってみてください。また老人ホームについては、見学を重ね、理想に合う施設の目星をつけておくのもよいでしょう。病気や介護など、計画通りにいかない事情が発生した場合には、そのつど調整することも大切です。