くろねこルーシー
10月9日(土)からTOHOシネマズ二条、MOVIX京都、T・ジョイ京都で公開
ちょっと情けない父さんが、みんなにふりまく幸せの種
客に言われるほどで、店はいつもガラガラだ。そんなある日、彼のアパートの軒下に小さな黒猫が2匹! 黒猫は不吉だと毛嫌いしていた鴨志田だったが、やむなく同居を始めてから、不思議なことに運が開け…。
要領が悪いけれど人のイイ主人公に、いつしか共感を覚えていく。他人のことばを素直に受け入れ、生活改善しようと一生懸命に生きてるし、たっぷりの優しさを持っている。一見、情けない感じだが、こういう人を、周囲はほうっておかないのだろうなと思う。
子猫たちとタッグを組んでの商売の成り行きや、家族との微妙な関係性も面白く、エンディングに流れる平松愛理の歌に誘われ、しみじみとした後味が残る。塚地武雅のキャラが主人公にぴたりとはまっている。共演は安めぐみ、濱田マリほか。監督は『幼獣マメシバ』をはじめ、動物作品を得意とする亀井亨。
(ライター 宮田彩未 )