ボーン・レガシー
9月28日からTOHOシネマズ二条で公開
世界をまたにかけて展開する国家的陰謀との壮絶な闘い
細部の細部まで楽しみたいなら、『ボーン』3部作を復習してから見ればよいのだが、ボーンなんて知らないという人でも堪能できるアクション大作。ジグソーパズルができ上がるように、途中からぴたりぴたりと絵の断片が埋まっていく。クライマックスの痛快感はたまらない。
冒頭、アラスカの雪山で一人の屈強な男が、黙々とハードな訓練を行っている。彼の名は、アーロン・クロス。CIAの『アウトカム計画』によって、人格と肉体を改造された“最高傑作”である。だが、彼はいきなり命を狙われ、そのわけを知るため、アーロンの体調管理をしているシェアリング博士のもとを訪れるが、彼女にも危険な魔の手が…。
アーロンが服用する薬がこのお話の重要な鍵で、CIAが進めていた極秘プログラムの内情が次第に明らかになっていく。映画の中の虚構でなく、現実的にあり得ることだというから、大国が抱え持つ暗部に肌寒さを覚える。フィリピン・マニラの町なかで繰り広げられるカーチェイスは、とびっきりスリリング!
マット・デイモンからバトンを渡されたジェレミー・レナーが主人公を熱演、レイチェル・ワイズ、エドワード・ノートンが共演。監督は、ボーンシリーズで脚本を務めたトニー・ギルロイ。
(ライター 宮田彩未 )