コッホ先生と僕らの革命
9月15日(土)から京都シネマで公開
ドイツにサッカーをもたらしたある型破り教師の感動奮闘記
今やドイツは、世界でもトップレベルのサッカー大国であるが、その歴史をさかのぼると、コンラート・コッホという人物に行き着く。彼が、イギリスからサッカーという球技を伝え広めたのだが、この映画を見て、新しいものはそう簡単には受け入れられないのだなあ、とあらためて思う。
舞台は1874年、帝政ドイツの地方都市ブラウンシュヴァイク。イギリスのオックスフォードから招かれたコッホは、母校の英語教師になる。しかし、イギリスに対する強固な偏見を持つ生徒や教師、当地の名士などに囲まれ、授業は思いどおりには進まない。そこで、手に取ったのが、イギリスから持参してきた革のボール。なんとコッホ先生は、英語の授業で少年たちにサッカーを教え始めたのだ…。
革新と保守という対立以外に、富裕層と労働者階級の間に横たわる溝も描かれている。名士の息子である級長が、工場で働く母を持つ生徒をいじめて退学させようと画策するのは悲しい。だが、サッカーは彼らを夢中にさせ、子どもの世界の構図まで変える。クビになるのも覚悟した、コッホ先生の粘り強い奮闘!
後年、“ドイツ・サッカーの父”と呼ばれた人物の若き日の姿を、ダニエル・ブリュールが爽やかに演じる。セバスチャン・グロブラー監督。
(ライター 宮田彩未 )