年金生活ながら余裕のある家計
貯蓄の使い方を話し合っては?
ご夫婦の年金収入だけで十分暮らしていける、余裕のある家計です。
とはいえ、現役時代と比較すれば、随分と収入が減ったと感じられることでしょう。その上、増税&年金カットとなれば、不安になられる気持ちも理解できます。
確かに、今年度から、65歳以上の介護保険料は、月額4972円(基準額の全国平均)と、昨年度までの保険料より20%、950円ほどアップ。介護保険がスタートした平成12年度の保険料と比較すると、現在は、およそ1・7倍になっています。
一方、公的年金は、平成16年の年金改正で、物価スライド率が導入されたことにより、物価の動きにあわせて、毎年、受取額が変動する仕組みに。昨年は、物価が下がったこともあり、今年度の年金額は、昨年度と比べて0・3%減額されています。ご夫婦の年金額から計算すると、月額1000円程度のダウンといったところです。
日本は、長引く景気低迷、少子高齢化など悩ましい問題を抱えており、今後、ますます税負担は増え、年金収入は減っていく傾向にあります。
ご相談にあるように、65歳から受け取れる年金を、2年間繰り下げることで年額16・8%が増額されます。この場合、79歳を超えて受け取ることでメリットが出てきます。ただ、年金制度の不透明性から、将来思ったほど効果が得られないことも。ご相談者の場合、月々10万円を貯蓄されていることから、同居のご長男から入る月5万円を差し引いても、月5万円の余裕があるといえます。
仮に、家のリフォーム、介護などに1000万円ほど必要になっても、まだ1800万円の貯蓄が残ります。そもそも、貯蓄は、退職後の生活を充実させるために、こつこつと励んでこられた成果とお見受けします。やみくもに不安がらずに、いつ、どのように使うか計画を立てられてはいかがでしょうか?