宮澤賢治に聞く
井上ひさし こまつ座 文春文庫・650円
井上ひさしが語る、作家、詩人、宗教家、科学者としての宮澤賢治
子どものころ、宮澤賢治の童話の朗読テープをよく聞いていました。東北の言葉遣いや、独特のオノマトペ(擬音語や擬声語など)が、子ども心にも不思議に響き、さまざまなイメージを、そして少し物悲しい気持ちを感じました。
本書には、井上ひさしさんの賢治との出会いから、その童話や詩の言葉の考察、賢治への架空のインタビュー、宮澤家の話、原稿などの写真資料が収録され、そこから、作家・詩人であり、宗教家、また科学者でもあった人間・宮澤賢治の姿が浮かび上がってきます。
この本を読んで、幼いとき、あるいはその後、賢治の作品に触れて感じた気持ちの源に、近づけたように思います。
【紹介者】
古書ダンデライオン 中村明裕さん
古書ダンデライオン 中村明裕さん
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