森に眠る魚
角田光代 双葉文庫・720円
母親たちは、“その先”に光を見いだすことができるのか
子どもが生まれてきたときはきっと誰もが、すごく幸せなはずです。それがなぜ、子どもと向き合ううちに、孤独を感じるようになるのか─。
「森に眠る魚」は、子育てを通じて出会った5人の母親の姿を描いた作品です。子どもたちの〝小学校お受験〟を通して、嫉妬や疑心、依存といったさまざまな感情がもつれあい、次第に、深く暗い森へ誘われるように、行く道を見失ってしまいます。そんな彼女たちは、自分の力で闘い、やがて光を見いだすことができるのでしょうか。
読み進めることが苦しくなるほど緊張感のある文章ですが、希望を見失わないようにというメッセージがこめられているようにも感じるのです。
【紹介者】
大垣書店 四条店 小林素紀さん
大垣書店 四条店 小林素紀さん
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