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試写室・劇場から

幸せへのキセキ

6月8日(金)からT・ジョイ京都ほかで公開

©2011 Twentieth Century

人生でいちばんの決断が、家族や周囲にもたらした光

最愛の妻に先立たれた後、反抗期の長男に手を焼きつつ、新聞コラムニストの仕事で家庭を何とか回していた主人公ベンジャミン。しかし、仕事が不本意な状況になって、会社を辞めざるをえなくなり、もう踏んだり蹴ったり。ここは心機一転と、住み慣れた町を離れることにした。これぞ理想の家と思うものを見つけたが、閉鎖中の動物園込みという物件! 経験も知識もない彼が、動物園再建事業に乗り出すことになる。

夢みたいなお話だが、事実は小説より奇なり。イギリスの新聞コラムニスト、ベンジャミン・ミーの自伝を映画化したものだ。まさに「ピンチはチャンス」という言葉を思い出させてくれる。飼育スタッフとの衝突、資金の枯渇(こかつ)、再開をはばむような農務省役人の嫌がらせなど、幾多の苦労が彼を襲うが、スゴイのは、決してあきらめないこと。厳しい人生から逃げず、一生懸命な彼だからこそ、スタッフも家族も、そしてなんと亡き妻も天から応援してくれたんだろう。

アクション映画や社会派の作品のイメージが強いマット・デイモンが、ガンバルお父さんを好演。お色気なしのスカーレット・ヨハンソンも新鮮、長女役のマギー・エリザベス・ジョーンズのかわいらしさったら! キャメロン・クロウ監督。

(ライター 宮田彩未 

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