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試写室・劇場から

ミッドナイト・イン・パリ

5月26日(土)からMOVIX京都で公開

Photo by Roger Arpajou © 2011 Mediaproducción, S.L.U.,
Versátil Cinema, S.L.and Gravier Productions, Inc.

映像マジックと脚本力が光る
ロマンチックなファンタジー

わりと好き嫌いの分かれるウディ・アレン監督だが、近年の作品の中でも断トツに面白い。私的生活のすったもんだよりも、ファンタジーの要素が濃く、タイムスリップの仕掛けから出てくるわ、出てくるわ、芸術史上の著名人。ワクワクと楽しくさせられて、最後はほんわか気分。本年アカデミー賞で脚本賞を受賞したその力量を、ぜひスクリーンで確かめて。

ハリウッドの人気脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)は、本格派作家に転身すべきかどうか悩みつつ、婚約者とともにパリを訪れる。ある真夜中、一人で街をさまよっていたら、時代遅れの車がすっと寄ってきて、連れて行かれたのは、なんと1920年代のパリ。頭が混乱しつつも、その魅力にとりつかれ、次の夜も同じ場所で車を待つギルだったが…。

20年代からベル・エポックの時代にまでタイムスリップした主人公は、フィッツジェラルド夫婦やヘミングウェイ、ピカソ、ダリ、ゴーギャンほか、驚くような人々と出会い、ちゃっかりと淡い恋も味わう。「もし、ニューヨークに住んでいなければ、僕が一番愛する街はパリだよ」と監督が言うように、映像にそのベタぼれぶりが表れている。ありえない話の果てのオチもすてき! マリオン・コティヤール、キャシー・ベイツほか共演。

(ライター 宮田彩未 

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