ロボット
5月12日(土)からT・ジョイ京都で公開
驚天動地! 抱腹絶倒!
インド発、SF大作のスゴ味
インドでは映画といえば、3時間を優に超えるものも多く、歌やダンスが出てこないと観客が納得しないと聞く。これは日本向けに歌やダンスを控えめにした、約140分の縮小版。それでもスパイスたっぷりのインド料理フルコースのごとき濃厚、強烈な娯楽性に圧倒される。
長年の研究の果てに、ついに画期的な二足歩行型ロボットを開発したバシー博士。自分にうり二つの容姿を持つこのロボットにチッティという名を付け、学会で発表したが、恩師ボラ教授のライバル意識をあおってしまう。一方、バシー博士の恋人サナはチッティをすっかり気に入ったのだが、チッティが改良されて人間のような感情を持ったために、思わぬ大騒動へと発展する。
サナに向かうチッティの横恋慕、バシー博士とボラ教授をめぐる善と悪の対決、ロボットに対する人間の勝手な欲望…と、さまざまな要素をからめながら、ハリウッドも目を回すようなクライマックスへとなだれ込む。VFX(視覚効果)技術をぜいたくに使い、チッティが軍団化して暴れまわる場面では、もう笑い転げてしまうほど。インドの国民的スターであるラジニカーントが、博士とチッティの二役。美しいアイシュワリヤー・ラーイがサナを演じている。シャンカール監督。
(ライター 宮田彩未 )