心に龍をちりばめて
白石一文 新潮文庫・539円
本当に大切な人はすぐ近くに━
そんなこと、ないですか?
容姿端麗で仕事もできて、けれど心に癒えない傷がある小柳美帆と、エリート記者で、将来は政治家を目指す黒川丈二。そして美帆の幼なじみの仲間優司。
人生にはいろいろな出会いがあります。そしてその分、かなしいかな別れもあります。でも悲しいことばかりではないのです。いい仲間がいて、家族がいて、恋人がいて。それだけで、多くを手に入れられなくても幸せなのではないか。私はこの本に出会い、そう思いました。そして本当に大切な人は、実はすごく近いところにいるのだと…。
ラスト数行で、それまでの怒涛(どとう)のような出来事から救われます。心のなかに温かさが残ります。
【紹介者】
大垣書店 四条店 小林素紀さん
大垣書店 四条店 小林素紀さん
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