木曜日だった男 一つの悪夢
チェスタトン 南條竹則訳 光文社古典新訳文庫・680円
日曜日から土曜日まで…
男たちが繰り広げる冒険活劇
推理小説の名作である、「ブラウン神父シリーズ」を書いたチェスタトン。彼の、それ以前の作品の新訳版です。
主人公の詩人、サイムが「木曜日」の男として加盟した無政府主義者の秘密結社。その首領たる「日曜日」の正体をめぐり、他の曜日の男たちと繰り広げる冒険活劇。次々と展開する場面、鮮やかな人物や風景の描写で、あっという間にストーリーに引き込まれます。私は黒田硫黄のマンガみたい、などと思ったのですが、これは読む人ごとに感想が分かれるような不思議な小説です。
過去には吉田健一を含め、さまざまな人が本作を翻訳しているので、そちらと比較してみても面白いと思います。
【紹介者】
古書ダンデライオン 中村明裕さん
古書ダンデライオン 中村明裕さん
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