積み立て型保険は、運用効率に注意
資産に余裕があれば繰り上げを
ご出産おめでとうございます。にぎやかで楽しいご家庭を、ぜひつくっていってください。
家計全般を見ると、無理のない、バランスのよい支出です。保険についても、掛け捨ての収入保障保険・医療保険(先進医療特約付き)で保険料を抑える一方、積み立て型商品も保有し、特に問題ない構成と思われます。ただ、学資保険の加入や新たな積み立て型保険の検討をしているところから、保険に貯蓄機能を過大に求めている部分があるような気がしてなりません。
積み立て型の保険は、満期保険金が受け取れ、貯蓄機能を有しています。しかし、その機能が効率的かどうかは別の問題です。自動的に口座から保険料が引き落とされ、気付けば資産形成となる点は魅力的ですが、運用効率となると…。再度、保険料の支払い総額を計算し、満期保険金や保障額と比較してください。これからの資産運用は、保険だけでなく国債や外国債券、投資信託など幅広い視点で商品を考えることが大切になります。
繰り上げ返済については、まず、当面の生活費や育児、教育費用などの確保が最優先。その上で保有資産に余裕があれば、返済の検討を。ポイントは、借入金の利率と自分が運用できる利回りとの比較です。借入金の利率を超える運用ができない場合は、無理のない範囲で繰り上げ返済をしましょう。そうでなければ定期的な返済にとどめましょう。
付け加えると、昨今の経済環境では手持ちの現金や資産の割合を多めにしておく方が賢明、と私は感じています。そして、残念なことに、今後の世帯収入と出産をてんびんにかけなければならない〝心苦しい時代〟といえます。ただし、相談者の場合では、毎月の黒字に加えボーナスもあるため、そこまで切迫した状態ではありません。ご夫婦が理想とする家庭づくりを、優先してください。