ヒューゴの不思議な発明
3月1日(木)からT・ジョイ京都ほかで公開
映画への愛をたっぷり注いだ
巨匠からのすてきな贈りもの
マーティン・スコセッシ監督って、なんてすごいんだろう! 骨太の社会派ドラマから、ミュージシャンに密着したドキュメンタリー、そして今度は、スピルバーグだってのけぞりそうな冒険ファンタジーだ。実に守備範囲が広い、というより、どんどん果敢に挑戦していける攻撃範囲の広い人だ、と思う。
1930年代のパリ、駅の時計台に一人の少年が住みついている。彼の名前はヒューゴ。大好きだった父を亡くし、今はひとりぼっちだ。ある日、駅の構内にあるおもちゃ屋で商品をかっさらおうとして、店主につかまる。怒った店主は、ヒューゴのポケットの中にあった父のノートを取り上げてしまう。それは、父が残した不思議な機械人形にまつわる大切な形見だったのに…。
店主は、世界初の職業映画監督ジョルジュ・メリエス。その彼がヒューゴと出会うことで、物語は大きな展開を見せる。メリエスの有名な作品『月世界旅行』も登場し、映画創世記の作り手の情熱とエネルギーに胸が高鳴る。フィルムを回して見る映画こそ最高! みなさ~ん、もっと映画館に足を運びましょうよ、と叫びたくなる。ベン・キングズレー、エイサ・バターフィールド、ジュード・ロウ、クロエ・グレース・モレッツほか出演。
(ライター 宮田彩未 )