萩を揺らす雨
吉永南央 文藝春秋・579円
75歳のお草さんの日々がつむぐ “コージー・ミステリー”
舞台は紅雲町という小さな町。和食器とコーヒー豆を扱う店「小蔵屋」を営む主人公・お草さんは数えで75歳。離婚経験があり、幼い息子を事故で亡くした悲しい過去をもつお草さんは、パワフルに働きながらも、小蔵屋に集まる町の人のうわさ話に首をつっこんでは事件に巻き込まれたり、または自分が巻き込んでしまったり…。
身近な場面でのミステリー、いわゆる“コージー(cozy=居心地が良いなどの意味)・ミステリー”のジャンルの一冊。そのストーリーに引き込まれ、小蔵屋でコーヒーを飲みながらくつろいでいるような心地良さに包まれます。
表題作を含む短編集です。
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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